07.15~07.30

この一瞬にかけた青春の1ページ

No.1 ドキドキです、本当に

いきなり、開会式の担当で私の高校野球も開幕です。岩手朝日テレビが中継をするようになって、2度担当しましたが、去年は「病欠」。実況はなしでした。それだけに担当のシフトが出た時には、本当にびっくり。そして放送の時間が近づくと本当に緊張です。十分話す材料は準備したつもりですが、不安が募ります。それでも、放送の時間は否応なしにやってきます。放送のスタートは私

が考えた10秒のコメントから。何日も考え抜いて、「流した汗の分だけ、夢は近づく・・・」と自分の声が流れて放送は始まりました。開会式は1時間ほどでしたが夢中でしゃべりつづけました。いつのまにか、ドキドキのあの感じは、自分から消えていました。去年は会社の編集室でなんだか淋しい気持ちになりながら見ていたんですが。ちょっと失敗もありましたが、次はいよいよ試合!


No.2 プレーを追う!

実況です、いよいよ!開会式は実況といってもわずかな部分だけですが、試合はそうはいきません。放送席には私が準備した様々な資料があります。これを見ながら画面には映っていないこともしゃべります。しかし、ブランクって大きいのか、練習不足もあるのか。プレーを追いかけるのが精一杯。というより、9割追えたかどうかという感じです。周囲からは「ブランクを感じさせない」

といった声もいただきましたが、どうなんでしょう?資料もうまく活用できず、やっぱりダメですね。ただ、2年前の自分の実況をVTRで見ると全体的に弱々しくて、とても熱戦を伝えている感じではなかったので、そこだけは気をつけました。確かに声に強さがあったという声もあり、その点では、自分の思い通りになったのかなと。声だけはこの調子でいかないと!


No.3 複雑な思いの中で

選手たちは、夢を果たすためにずっとがんばってきているはずです。そのプレーを伝えるには選手の生の声を聞きたいんです。そこで、練習におじゃましたり、宿舎にでかけたり。試合前にもかかわらず、いやな顔一つせず応対してくれて、いろんなことを話してくれました。監督さんも同じです。グラウンドでは真剣な表情の選手も

やっぱり、普通の高校生ですね。甲子園への思いだけでなくいろんなことを話してくれます。しかも、実況の前に球場でも話を聞くと一度会っているだけに親しげに話しかけてくれたりする選手もいたりして。そうなると、勝ってほしいと思うのが人情ってもの。でも、勝負の世界。夢は破れるんです。つらいですね。複雑です。


No.4 かけもちなんです。

私は1週間おきに夕方ニュースを担当しています。これは高校野球期間中も同じこと。午前中に実況して急ぎ返って、ニュースへということが何度かありました。本音を言えばしんどいんですが、でも自分が好きな仕事だからこそ、なんとかなるんです。ニュースが終わって翌日の

実況資料をそろえて、朝早く出社という変則勤務。時々自分が何をしているのかわからないこともあったりするんですが。毎日ではなかったのが救いで、体調も崩すことはありませんでした。ただ、いつもより緊張の連続でしたね。

No.5 目がちかちかしますね

なぜかというと、データ整理とかでスコアブックを見たり、パソコンをずっと使ったりで、目が疲れます。めがねをかける機会が多くなりました。選手1人1人の成績やデータを自分がしゃべりやすいようにするためには欠かせない作業です。実況の前の日は結構遅い時間まで資料

に埋もれていました。でも、うまく使いこなせないところを見ると、どうも良くないようです。毎年改良していますが、改良になっていないんです。どうしたらよいものか、これも悩みの種です。経験が生かされていないわけではないと思うのですが。

No.6 他局に自分の声が・・・

準決勝から高校野球を中継している民放テレビ、ラジオと某公共放送で勝ったチームの監督や主将に持ち回りで各社のアナウンサーが代表して試合終了後インタビューします。つまり、他の局にも自分の声が流れるんです。でも、私は担当したことがなかったんです。でも、今回

はIATの担当分は私がやることになりました。試合終了後グラウンドで大勢の観客が見守る中、インタビューしますが、カメラの前よりも、なんだか緊張します。自分で何を聞いているのかわからなくなるくらいです。でも、変な感じですよ、他の局から自分の声が聞こえるのは。

No.7 力と力が均衡すると・・・

夢を目指すのはどこの高校、どの選手も同じこと。しかも、その高校同士の実力が均衡すると、逆転、また逆転という試合があるんです。そして・・・延長戦へ。今回の中継では延長戦が1試合だけありましたが、どういう巡り合わせか、その試合をたまたま私が担当しました。追

いつき追い越され、延長戦でも同じような展開。試合時間は3時間50分近く。普通の高校野球地方大会なら2時間ですから、ほぼ倍です。しかも、その試合はすべて放送になって、私も一時も気が抜けない状況です。さすがに終わった瞬間はヘトヘトでした。

No.8 なんと、決勝戦まで

開会式の担当も驚きでしたが、まさか決勝戦まで・・・確かに、実況できなかった去年を除いて担当していましたが。開会式ほどではないですが、やはり時間が近づくにつれて不安と緊張が交錯します。さて、試合は去年の覇者とおととしの覇者の対戦。実力校同士、接戦が予想されましたが実際は大差がつきました。そこが高校野球の実況の難しいところです。しかも、目の前ではあきら

めずに全力でプレーする選手がいるんです。接戦の実況よりもアナウンサーの手腕が問われるところかもしれません。試合は自体は2時間半ほどで終了しましたが、集大成とはならなかったと反省しています。どんな内容でも対応できなければならないですね。今回6試合を担当したんですが、選手の夢へという気持ちがどれほど伝えられたか。反省しています、いろいろと。